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鼻水が止まらない

子供の鼻水が止まらないときに|長引く原因と対処法を解説

熱はないけど、子供の鼻水が止まらない

左手にティッシュを持ち、鼻水を拭いながら我慢する男の子保育園等に通い始めた子供達の多くは、入園後から夏にかけて鼻水が頻回にみられます。最初は透明でサラサラとした鼻水ですが、徐々に黄色く濁り、粘度が増して詰まりやすくなる傾向があります。この鼻水や鼻詰まりは、乳幼児にとって夜間の睡眠障害、授乳量の減少、不機嫌さ、咳や嘔吐などの他の症状を引き起こす原因となることが多いです。

子供の鼻水がなかなか治らない原因

鼻水が長引き、何度もティッシュで鼻をかむ小学生くらいの男の子子供の長引く鼻水にはいくつかの原因があります。

免疫の未熟さ

子供の鼻水の一般的な原因は風邪(ウイルス感染)で、風邪を繰り返すことで免疫を獲得し(=抵抗力が強まり)、症状が軽くなります。成長するにつれて、風邪に対する抵抗力が高まり、風邪を引いても症状が軽くなります。しかし、乳幼児は多くの風邪に初めてさらされるため、免疫が未熟(=抵抗力が未発達)で、鼻水が長引きやすく、症状も強く出る傾向があります。乳幼児が風邪を引いた場合、鼻水が治まるまで1週間以上かかることが多いです。

複数の風邪ウイルスへの感染

風邪の原因ウイルスは約200種類あり、それぞれのウイルスによる症状は似ていますが、異なるウイルスには異なる免疫が必要です。特に保育園などの集団生活では、様々なウイルスが混在しており、複数のウイルスに連続して感染することがあります。例えば、3つの異なるウイルスに2週間ごとに感染した場合、鼻水がひどくなったりよくなったりを繰り返します。これは保育園などの集団生活の場でよく見られる状況です。

アレルギー性鼻炎

2歳未満でアレルギー性鼻炎が発症することは少ないですが、2歳を過ぎても透明な鼻水が続いたり、目のかゆみがあったりする場合はアレルギーの可能性を考慮します。最近は低年齢でのアレルギー性鼻炎が増加しています。

副鼻腔炎の合併

副鼻腔は顔の骨にある空洞で、新生児期はまだ小さく発達していませんが、2歳頃から成長し始め、17歳頃にはほぼ完成します。4歳から6歳頃には副鼻腔炎を起こしやすくなります。風邪による鼻の粘膜の炎症が副鼻腔に広がると、黄色や黄緑色の粘り気のある鼻水が特徴的な急性副鼻腔炎になります。子供の副鼻腔は発達途中で鼻腔との交通路が短いため病原菌が到達しやすく、副鼻腔自体の空間も狭いため空間全体に炎症が生じやすいと言われています。

副鼻腔炎について
詳しく見る

子供の鼻水の色別の特徴・関連する疾患

鼻水の色と特性によって異なる病気が考えられます。以下に、鼻水の症状に基づいた病気について記載します。ここで強調させていただきたいのは、黄色や緑色といった色がついていても風邪の可能性があるということです。色のついた鼻水がみられると細菌感染を想定される方は多いですが、通常の風邪でも透明→黄色や緑色→透明という経過をたどります。

透明な鼻水

特徴

サラサラしており、垂れやすい。

可能性のある病気

風邪の初期、アレルギー性鼻炎。

黄色い鼻水

特徴

粘り気があり、においがする。

可能性のある病気

風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎。

白い鼻水

特徴

粘り気がある。
可能性のある病気:風邪のピーク時。

緑色の鼻水

特徴

粘り気があり、においがする。

可能性のある病気

風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎。

茶色い鼻水

特徴

やや粘り気がある。

可能性のある病気

副鼻腔炎、悪性腫瘍。

赤い鼻水

特徴

血が混じっており、血液のにおいがすることもある。
可能性のある病気:鼻出血、異物の存在、悪性腫瘍。

子供の鼻水が長引く、なかなか治らない時の対処法

親に鼻水を拭ってもらいながら安心した表情を浮かべる赤ちゃん鼻詰まりや鼻水が長引くと、睡眠不足や集中力の低下といった日常生活への影響が出ることがあります。適切なケアを行うことで、これらの症状を和らげることができます。

鼻水の除去

自分で鼻をかむことができない場合は、鼻吸い器(電動タイプ)使って取り除くことをおすすめします。どのような姿勢でも構いませんが、お子様の粘膜を傷つけないためにも、頭部を安定させることが重要です。お子様が動いてしまう場合は、親御さんの膝の間に寝かせて、膝や太ももで手を軽く抑えるのをお勧めします。回数は食べる前、お風呂上り、寝る前の4回程度を目安にしていただくのがいいと考えます。

鼻水を吸うことで食べやすくなったり、眠りにつきやすくなったりします。お風呂後は加湿もされ、鼻水が吸いやすい理想的な状況となっているため特におすすめです。鼻吸い器を使用する際に激しく泣いてしまい、吸っても結局鼻水が出てくる経験をお持ちの方もおられるかと思いますが、泣いたときの鼻水はサラサラであることが多く、経口摂取や睡眠の妨げにまではなることは多くありません。

慣れてくれば、子供が自分で鼻吸い器を使用し鼻水を吸ってくれるようになることもあります。初期費用は少し高いですが、自分で鼻をかめるようになるまで重宝しますので、お持ちでない方には購入をおすすめします。

鼻吸い器の使用方法

  1. ノズルを子供の顔に垂直に当てます。
  2. ゆっくりと回しながら、最も効果的に吸える位置を見つけます。
  3. 耳に負担をかけないように、数回に分けて鼻水を吸い取ります。

鼻詰まりの際は、粘膜の腫れにより鼻の通路が狭まっています。出血してしまうリスクもあるため鼻吸い器のノズルを深く挿入したり、強く押し込んだりすることは避け、慎重に扱うようにしてください。

加湿する

鼻の粘膜が乾燥しないように、部屋の湿度を50~60%に保つことが推奨されます。加湿器を使用したり、室内で洗濯物を干したりすることによって湿度を上げることも可能です。また、マスクを着用することも、乾燥から粘膜を守るのに役立ちます。

空気清浄機の使用

アレルギー反応による鼻水や鼻詰まりがある場合、空気清浄機を使って室内の空気を綺麗に保ちましょう。さらに、濡れた雑巾で床を拭くことで、アレルゲンの除去効果を高めることができます。

上半身を起こして寝かせる

鼻水のせいで眠りにくいときは、布団に傾斜をつけて上半身を高くすると良いでしょう。バスタオルや毛布を布団の下に敷いて調整しましょう。また、縦抱きで抱っこして寝かせることも、鼻水が多く眠りにくいときは有効です。

子供の鼻水に関するよくある質問

子供の鼻水が透明で水っぽい時の原因は?

透明で水のようにサラサラとした鼻水が大量に出る場合、発熱などの随伴症状がみられなければアレルギー性鼻炎が疑われます。このタイプの鼻水は、鼻から滴り落ちたり、喉の奥に流れ込んだりすることがあり、かなりの量が出て、何度も鼻をかんでも止まらないことが特徴です。 また、連続するくしゃみや強い鼻詰まりも一般的な症状です。これらは体がアレルギーの原因となる物質を排除しようとする防御反応の一部です。

子供の鼻水が続く場合、受診した方が良いですか?

もしお子さんが元気で、透明な鼻水のみが問題なら、すぐに医者に行く必要はありません。鼻水は体が必要として排出するものなので、うまく鼻をかんだり吸い取ったりすれば、薬は必ずしも必要ではありません。 しかし、睡眠を妨げる鼻水や、黄色や緑色の濁った鼻水が続く場合は、医者の診察を受けることをお勧めします。中耳炎を繰り返し発症する場合も、早めに医者に相談すると良いでしょう。また、枕を高くしたり、頭を横に向けて寝ることで、呼吸が楽になることがあります。

子供の鼻水は取ってあげた方が良いですか?

幼い子が自分で鼻をかむことができない場合、保護者の方が鼻水を取り除くようにサポートしましょう。鼻水にはウイルスや細菌など、病原体や炎症を引き起こす物質が含まれており、これが中耳炎や副鼻腔炎の原因となることがあります。 乳児は特に、鼻水による鼻詰まりによって呼吸が妨げられる場合もあるため、保護者の方による吸引が有効となるケースがあります。市販されている様々な鼻吸い器具の中でも、電動式のものは効率的ですが、価格が高いことがあります。 なお、保護者の方がお子さんの鼻を直接口で吸う行為は、感染のリスクがあるため避けるべきです。